事務所報 | 発行日 :令和6年8月 発行NO:No53 発行:バリュープラスグループ |
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【5】怪談特集
文責:事務経理G 福井 真穂
2024年の夏も『十年に一度の暑さ』と言われているようですが、こういう表現を毎年耳にしているように思えるのは気のせいでしょうか。バリュープラスの事務所報が公開されるのがお盆ですので、嬉し楽しいお休みが終われば、すぐに八月も下旬に入ります。そして八月下旬から九月上旬は二十四節気のひとつで処暑と呼ばれ、暑さが収まる時期という意味を持ちます。暦の上での話とはいえ、正直なところ「ホントに?」という疑いの気持ちを拭えません。
さて、お盆といえば、本来はご先祖様をご自宅にお迎えしてご供養する夏の風習なわけですが、日本では『夏の風物詩=怪談』というイメージがあります。実はこれ、日本独特のものなのでして、その由来としては、時をさかのぼっては江戸時代、「狂言」や「歌舞伎」といった芝居小屋がスタート地点になるようです。なんでも、庶民の娯楽として親しまれていたお芝居ではあるものの、夏の暑さで満員の芝居小屋なんてどうにも耐えらるもんじゃない!と大物役者たちが夏季休暇を取ってしまい、スケジュールの空いた芝居小屋を、若手役者や脇役たちが低料金で客を呼ぶため、一風変わった『怪談話』を行ったんだとか。
ただ、恐怖を感じると寒さを感じるのは人間の摂理としては正しいようで、結果としてもはや当たり前の感覚として現代に繋がっているのですから、発案した人は天才だったんじゃないかなと思います。
そこで事務所報の記事の中でも一番ゆるくて許される近況コーナーにおきましては、昔の天才の発想にあやかりまして、怪談特集などお送りさせていただこうと思います。
しかしながら、いざ『怪談ネタで何かひとつ』では余りにもざっくりとし過ぎているので、事務所員にアンケートを取る際に、①好きなホラームービー/ホラーゲーム ②好きな怪談 ③本当にあった怖い(怖くない)お化けの話 というお題を設定しました。
それぞれなかなかに興味深いお話が出そろいましたので、この酷暑の盛り、少しでもひんやりとしていただけましたら幸いです。
【溝上先生】 ②好きな怪談
怖い話なら、ネットで画像が見られる「お菊人形」(https://www.ishiyasan.co.jp/okiku.htm)がお薦めです。もちろん、自宅にはありませんが・・。
あと、ちょっと高めの料金設定ですが、小豆島のエンジェルロードの近くにある「妖怪美術館」(https://shodoshima.or.jp/sightseeing/detail.php?id=261)に涼みに行かれては如何でしょうか。
何でも、現代の妖怪が世界中から800体以上も集まっているそうで、思わず笑える妖怪にも出会えます。
【古莊先生】②好きなホラームービー
SFホラー映画:「エクス・マキナ」
人間型(ヒューマノイド)のAIが、人間を徐々に凌駕していく様が怖い映画。今の話題の生成AIにも通じる内容かも…。
不気味な人形映画:「ヤン・シュバンクマイエルの作品集」
チェコを代表する人形映像作家。コマ撮りの連続映像がひたすら不気味で怖い。東欧のくぐもったような雰囲気が非常に良く感じられる。寝る前に見ない方が良い。夢に出てきそう…。
SFホラー漫画:「寄生獣」
パラサイトと称する寄生獣(きせいじゅう)達が、次々と人間の脳を乗っ取っていく。新一の脳を乗っ取ることに失敗して、右手に寄生することになってしまったミギーは、他の寄生獣から一段低く見られることに。他方で、ミギーは、新一の部屋で読書に夢中になり、徐々に知性を身に付けはじめ、やがて新一と協力して戦うようになる。人間とはいかに弱い生物であるかということを露呈させられる漫画界の金字塔。絵のタッチは若干粗いが、内容は、今思えばSDG‘Sを先取りしている面もあり、全く色褪せない…。
【山本先生】②好きな怪談
高校1年生の夏休みに夏目漱石の「夢十夜」を読みました。その第三夜は少し不気味な怪談風の話でした。こんな夢を見たという書き出しから始まるので全体としては主人公である「自分」が見た怖い夢の話になっています。以下、ネタバレを含みますので、小説を先に読みたい方は、読み飛ばしてください。
自分は闇夜に盲目の自分の子をおんぶして人気のない暗い山道を歩いていますが、その子はなぜか背中越しに大人びた口調で自分と対等な感じでためぐちで話しかけてきます。背中の子は、目が見えないはずなのに周囲の様子を次々と言い当てますし、自分が心の中で考えていることまで的確に言い当てます。背中の子は、どうも自分が過去に犯した重大な出来事を思い出させようとしているようで、その出来事があった場所に向かわせようと行先を指示してきます。自分は、過去も未来も心の中もことごとく見透かされているようで、予知めいたことまで言う背中の子が不気味で嫌になり、このようなものを背負っていたのではこの先どうなるか分らないと思い、どこかに捨て去ろうと考えます。そして足早に薄暗い一本道を歩いて行くと、杉の木が見えてきた辺りで背中の子から「此処だったね」と指摘されます。その言葉を聞くや否や自分は、、、、
このあたりでやめておきます。不気味ですが深い話でもあります。
【竹内さん】③本当にあった怖い(怖くない)お化けの話
怖いというか不思議な体験を2つほど…。それ怪談じゃなくて夢の話!と言われそうですが。
時間経過とともに断片記憶を埋めて話がうまく出来上がっているようなところもありますが…ご容赦ください。
(1)復讐
小さいころ(小学生だったと思う)というのは、虫をおもちゃのように扱っていろいろ遊んでました。
例えば…、あ、やっぱり虫さんにかわいそうなので言わない。
成長につれ、そういう「命を奪うことは悪いこと」っていうような観念が醸成されていくのでしょうが、とかく子供の頃は虫さんにかわいそうなことをしていました。
そんなある日、田舎の祖父母の家にお墓参りだか盆休みだか忘れたけど行ったとき、それは起こりました。
祖父母の家の押し入れのある2Fの広間で昼寝をしていました。その押し入れには布団が仕舞ってあって、昼寝のとき、その押し入れから布団を出して、敷いて、押し入れを閉めて寝ました。
完全に寝ていたと思いますが、突然、押し入れの引き戸が「スパーン」と結構な音を立てて、センター開きしました。その音で「何事!?」と思って目を覚ますと…。
王冠をかぶり、豪華なステッキを携えた、巨大な殿様カエル様が、お付きのカエル様を両隣に従えて、仁王立ちしていました。
そして、「よくも仲間を…」とぼそりと言いました。言ったか言わないか曖昧で記憶が作り出しているのかも…
カエル様を認識した瞬間、2Fの広間を飛び出して、階段を転げ落ちて、1Fにいたみんなに「カエルがぁぁぁぁぁ」と説明しましたが、まぁ大方の見立てどおり夢だろう…ということで落ち着いて取り合ってもらえません。
おそるおそる2F広間に戻ると、なんと!、閉めておいた押し入れの襖がセンター開きして、布団が仕舞ってあったはずのスペースがちょうどカエル様たちが居た分だけ空いてるんです。
寝ている間に誰かが押し入れから布団を出したんだろうと思って尋ねても、誰も2F広間には来ていないとのこと。
私個人的には、夢でもかまわないですが夢ではないと思っていますが、それ以来、カエル様は崇め奉るようにしていますし、かわいそうなことをすると復讐されるっていう観念が刷り込まれました。
よく考えると、「無事帰る(カエル)」、「金返る(カエル)」と何かと縁起良いですし。私のデスクにもカエル様がいますよ。
(2)戻れるか
もう一つの不思議体験は、さすがに夢だと思いますけど、そういう夢は後にも先にもありませんし、曖昧な部分が少ないので、うーん?という感じです。
独身時代に、夜、下宿でサッカーのブラジルW杯を見ながらうとうとしてたと思うんですが、気が付くと、自分の視点が天井からなんです。つまり、寝ている自分もTVも天井から眺めているという…。
ブラジル代表ロマーリオ(ということは1994年アメリカ大会か)がドリブルで前線に駆け上がっているTV画面、贔屓の選手が活躍するのを見ずに寝ている自分を見て「おい、起きろよ」と思ったこと、は忘れていません。
で、まばたきをしたかの瞬間的に、次は下宿の建屋を、次は大阪市、次は大阪府、と今でいうGoogleマップの衛星画像をポイントからぐーっと引いて行くように、どんどん上空へ視点が切り替わっていって、ついには日本列島、次には地球と、宇宙空間まで視点が飛び出てしまいました。ちょっと横を見ると真っ黒だったので多分宇宙までぶっ飛んだんだと思います。
ここで、「もしかして…」って思ったんですが、「戻ろう!、戻れるか?」という意思を働かせると、逆再生しだして、最終的にもどってきて、下宿の部屋で物理的に身体とともに意識が起きて、W杯のつづきを見ました。
後々いろいろ推理してみると、W杯のTV放映上の特殊効果、演出の類で、例えば出場国を地球儀上で示すために一旦、ズームアウトして、地球儀見せて、再度、出場国までズームインするみたいなのをうつらうつらと寝ながら見ていたのかも…とか思ったり。
【平松さん】③本当にあった怖い(怖くない)お化けの話
私はすごく怖がりで、ホラー映画等見てしまうと一人で入浴や洗面所に行けなくなり、夜も部屋の灯りを消さずに寝て睡眠不足に陥ったりするので、お化けの話等も自ら避けるようにしているので私自身のネタはないんです。
なので、怖い話とは少しずれるかもしれないんですが、私は守護霊は信じているので、守護霊の話に基づく話をさせて頂きます。
主人の話なんですが、お盆に主人が、主人の家族と祖父母のお墓詣りに車で行ったその帰りのことです。電車の線路を渡るとき、線路を渡り切れずシャッターが下りてきてしまい、家族みんなで線路に車を置き去りにしたまま、車の中から脱出しました。当然電車が近付いてきて、「えらいことなる!!」とひやひやして見ていたら、線路に置き去りにした車の反対車線を電車が通ってくれて、助かったそうです。その時は本当に、「お墓詣りに行った守護霊が守ってくれた!」って話してました。
あと私の姉が霊感の強い人で、一緒にいると「そこに幽霊がいる」とかいつも言うので、もし見えても私には言わないでほしい…と言っています。姉が幽霊を見たと言った場所で、実際に事故があって人が亡くなっていたことが後でわかったりすると、本当に怖いです。
それと姉は、小人も見たことがあるそうです。こたつでうたた寝をしていたら、「そんなとこで寝てたら風邪ひくで!」という声が聞こえて、驚いて目を覚ますと、テレビの下の横にいたそうです。
10cmくらいのおっさんだったそうです。
【伊藤さん】①好きなホラームービー
好きなホラームービーや怪談はないです(笑)
ホラーは嫌いというか怖いです。
怖いもの見たさは多少有り、気になる時もありますが、見てしまうとお風呂に入っている時や寝る時に思い出してしまい、ものすごーく怖くなるので見ないようにしてます。
強烈に印象に残っているホラームービーと言えば50年程前のものになりますが…
「エクソシスト」と「オーメン」です。
怖すぎます。久し振りにこの原稿を書くにあたりウィキペディアで検索して読みましたが、やっぱり怖いです。
「オーメン」の不吉なエピソードが怖すぎます。。。
【右田さん】①好きなホラームービー
ホラーが得意ではないのですが、ゾンビ系はいくつか観ています。
面白かったのは、「ワールド・ウォーZ」です。
ブラッド・ピットが主演で、ゾンビ映画にありがちなチープ感がなく、ストーリーの展開が早くハラハラドキドキが止まりません。
「バイオハザード」「アイ・アム・レジェンド」も観ましたが、「ウォーキングデッド」はちょっとしんどくて序盤でリタイヤしました。
なお、冷静に観ているわけではなく、ゾンビが突然出てくると、もれなく飛び上がっています(笑)
その他のホラームービーはあまり観たことがないので、皆さんのおススメを見て、今年の夏はチャレンジしてみようかな。。。
しないかな。
【田中さん】①好きなホラームービー
私の好きなホラー映画は、「キャリー」です。
この作品は、「IT」等を手がけたアメリカの小説家・ホラー作家、スティーブン・キングの小説が原作の映画です。
狂信的な母親の元で育てられた、キャリーといういじめられっ子の高校生が主人公で、学校のプロムパーティーでの出来事をきっかけに、自分の中に秘められていた超能力が目覚め、町中を復讐していく、、、というものです。
キャリーの壮絶な体験と復讐が、残酷で怖いです。。母親のサイコパスさも、見ていてゾワッとします。
結構たくさん血が出てくるので、グロテスク系全然大丈夫!という方、ぜひ一度見てみてください。
今回紹介するにあたり、作品について改めて調べてみると、この作品はスティーブン・キングの処女作であり最高傑作とも言われているそうです。1976年に公開され、翌年に続編、そして2013年にリメイク版が公開されています。私は2013年版を見ましたが、オリジナル版の方がさらに怖いそうなので、ぜひ今度見てみたいと思います。
いかがでしたでしょうか。依頼当初は「好きなホラーなんてないんだけど!?」という悲鳴も聞こえましたが、ご協力ありがとうございました。
案外実体験エピソードって少ないんだな、というのが正直な感想です。しかしノンフィクションよりフィクションの方が娯楽として正解、という気もします。私の身の回りでは「プロのカメラマンの写真に写り込む謎の光球」とか「隣の空きベッドから聞こえる誰かの寝息」とか「杖を突く誰かの足音が天井の上から一方通行で聞こえ続ける」とか「布団の周囲を歩き続ける鎧武者」とか「バスルームで亀裂の入ったスイカの種が何故かリビングに散らばっている」とか「死んだ祖母の部屋から聞こえた宴会の声」とか「タンスに背を預けて洗濯物を畳む母の背後に立つ知らない人」とか、ストレートに怖いものもあれば、怖いのか怖くないのかよくわからないものまで色々あります。(この中で私自身の実体験はひとつです。あとは兄とか叔母とか従兄弟とか)
あ、それとホラーゲームにもちょっとだけハマったことがありました。基本ビビりなので、本当に怖いゲームはできないんですが、自分でクリアまでやり終えたと断言できるのは、フリーゲームの『Ib』です。未だに名作と名高く、2022年には有料版のリメイクが出たほどの話題作ですが、私がプレイしたフリー版のリリースは2012年で、干支が一周するほど昔の話でした。
何がホラーって無常過ぎる時間の流れが一番ホラーだなと思いました。どっとはらい。
(令和6年8月作成: 事務経理G 福井 真穂)