事務所報 | 発行日 :令和6年1月 発行NO:No52 発行:バリュープラスグループ |
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【5】教えて!溝上先生~!
文責:事務経理G 右田 奈津子
♡ Happy New Year 2024 ♡
あけましておめでとうございます。2年ぶりに担当が回ってきました右田です。
昨年はコロナ禍から少しずつ日常を取り戻し、外出や旅行を楽しまれた方も多いのではないでしょうか。個人的には、運動会や発表会などの学校の行事が再開されてきてホッとしています。
さて、今回は少し雰囲気を変えて、「ミニ法律相談」というテーマで、所員やその知り合いなどから募集したお悩みに、溝上先生に回答してもらうという企画を考えました💡題して、
『教えて!溝上先生~!』のコーナーです⭐
質問を募集してみると、意外と皆さん聞きたいことがあったようで、たくさんの質問を頂きました!
【質問1】
最近、斜め向かいの家が鶏を飼い始めました。朝は5時頃から、夜は11時頃まで昼夜問わず鳴いていて、困っています。家族が睡眠中に鳴き声で起こされてしまったということもありました。これは騒音被害になるのでしょうか。
溝上先生の回答
住宅地において個人が飼育する鶏の鳴き声は、生活騒音と把握されますので、その程度が受忍限度を超える場合には騒音被害となり損害賠償や差止の請求ができます。受忍限度を超えるかどうかは、音量・発生時刻・継続時間、周辺環境、被害を受けた側の生活状況などの事情を総合的に考慮して最終的に判断されますので、実際には、その線引きは難しいと言えます。
【質問2】
相互通行の道路で、本来存在したセンターラインが経年で消えてしまっています。
雨の日や夜間などは全く見えない状態になっていますが、もしこの状況で対向車線の車と接触事故を起こした場合、事故の責任は道路のメンテナンスを担当する行政にも問えるのでしょうか。
溝上先生の回答
事故の状況にもよりますが、行政に責任は問えます。例えば、横断歩道を歩行中、車にはねられたのは横断歩道の白線が摩耗して消えていたためだなどとして、被害者らが道路標示を管理する神奈川県などに損害賠償を求めた訴訟がありましたが、「摩滅が事故の一因になった」とする裁判所の和解勧告があり、県が受け入れて損害賠償金の1割を負担するという訴訟上の和解が成立したと報道されています。
【質問3】
近所の家の雑草が伸び放題です。
オープン外構で家の周りにフェンス等はなく、家の周りを雑草で囲む感じになっています。道路に雑草が飛び出しているばかりか、その雑草の中に毒のある実もなっており、近所には小さい子供がたくさん住んでいるので、食べてしまう恐れがあります。ご近所ですし、直接注意することによりトラブルに発展しないか心配です。どのように対応するのがスマートでしょうか。
溝上先生の回答
所有する家の管理が不十分で雑草が伸び放題となっている場合、隣家など生活環境が受忍限度を超えていれば、損害賠償や差止の請求ができる場合もありますが、実際上は受忍限度に明確な基準はありませんので、家の所有者に指摘をして対応してもらうしか方法はありません。直接注意してトラブルに発展する可能性があるのであれば、①町内会長や民生委員など地域に関連する人に言ってもらうか、②匿名で指摘をするしかありません。
【質問4】
突然身内が亡くなった際に、銀行口座やクレジットカードから自動引き落としがされていることが分かりました。
契約先が判明しても、解約手続きをするためのパスワードが分かりません。そのような場合や、引き落とし元が不明の場合、銀行やカード会社に連絡して引き落としをストップさせることはできるのでしょうか。
溝上先生の回答
銀行は、契約(口座)名義人が死亡したことを知った場合、引落を継続することはできませんので、相続人や利害関係人が死亡した旨を届け出れば、直ちにその口座の入出金をストップすることになります。カード会社に届けても同様となりますが、相続人がカードに基づく支払いの債務を負担することになります。
【質問5】
自筆証書遺言と公正証書遺言がありますが、どのような場合には公正証書遺言を作成しておいた方が良いのでしょうか。
公正証書遺言の作成には費用も手間もかかりますし、自筆証書遺言で十分な場合も多いのでしょうか。
溝上先生の回答
自筆証書遺言でも、公正証書遺言でも、遺言しておける事項は同様ですので、遺言をすること自体については、どちらでも大丈夫です。
しかし、自筆証書遺言は、死亡後に家庭裁判所に「検認」と呼ばれる審判を申し立てる必要がありますので、相続人や遺贈を受けた人にとって費用と手間がかかります。まず、このような手間と費用を掛けないために、公正証書遺言を作成しておいた方が良いと言えます。
次に、自筆証書遺言のデメリットとしては、①財産目録以外はすべて手書きしなければならない、②日付、署名、捺印がないと無効になる、③紛失したり、書いても見つけてもらえなかったりする可能性がある、④変造、偽造や、破棄されるリスクがあるといった点が挙げられます。一方で、公正証書遺言は、法律の専門家である公証人が有効な遺言書を作成し、遺言者の死亡後50年、証書作成後140年または遺言者の生後170年間保存する取扱いとされており、どこの公証役場でも故人が公正証書遺言を作成したことがあるか否か、その内容がどうかを検索可能です。
したがって、このような意味でも、遺言をされる場合には、費用や手間がかかっても、公正証書遺言をしておくべきと言えます。
【質問6】
過払金返還のコマーシャルをよく見かけますが、あれって本当にお金が戻ってくるんですか?
溝上先生の回答
戻ってきます。当事務所でも1000万円近くの過払金の返還を受けたことがあります。
しかし、最近は、高金利規制が徹底していて、ほとんどの金融業者が法定の上限金利以下での取引をしていませんので、古くから(10年以上前)から同じ金融業者から借り続けていると言った例外的な場合しか、戻ってくることはありません。
溝上先生、お忙しい中ご回答ありがとうございました!!
実際に弁護士に相談するのは少しハードルが高かったり、こんなこと相談して良いのかな?と不安になる人も多いかと思います。最近では、相談へ行く前にネットで検索される方が多いかと思いますので、今回の法律相談企画が、この記事を読んで頂いた誰かのお役に立てましたら幸いです。
~さいごに~
夏の記事で紹介されましたカブトムシの「からあげくん」ですが、9月19日、三連休明けの朝、一人カゴの中でひっくり返って亡くなっていました👼越冬を目指し、土を購入した矢先でした。からあげくんのカゴの前を通るたび、「見て!!すやすや熟睡してるわ。かわいいな~」「昼間やのに元気に動きまわってる!木に登ってる!」と癒されてきたので、やはりいなくなった後は喪失感がありました。たったひと夏でしたが、たくさんの幸せをありがとう、からあげくん!また、事務所で何か飼いたいな~と密かに企む右田なのでした。植物でも良いですね🌷
今年も皆様にとって幸せ溢れる一年となりますようお祈り申し上げます☃
(令和6年1月作成: 事務経理G 右田 奈津子)