事務所報 | 発行日 :令和2年8月 発行NO:No45 発行:バリュープラスグループ |
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【1】論説:Web会議について~
文責:弁護士・弁理士 溝上 哲也
1 新型コロナ感染症の拡大について
残暑お見舞い申し上げます。
今年は、新型コロナ感染症の拡大が大きな社会問題となり、新型インフルエンザ等対策特別措置法による緊急事態宣言の発出もあって、仕事や生活にとどまらず、様々な面で大きな影響がありました。当地においても、春・夏の高校野球や天神祭が中止となり、裁判の期日も2カ月にわたって取り消されるなど、弁護士となって以来の異常事態となりました。
これらの社会情勢の変化のために大きな変革を要請されたのが、人との接触を伴う公私にわたった面談、会議、会食の自粛であり、人との接触を避けてこれらを行うオンラインのツールであるWeb会議の導入と活用でした。
本稿では、今年の前半に公私にわたって活用してきたWeb会議について、利用者の視点から説明したいと思います。
2 弊所で導入を取り組んだWeb会議ツールとその利用状況
先ず、Web会議のツールとしては、LINEやメッセンジャーなどSNSに機能を付加したものを含め、主なもので8種類あるとされています。弊所では、テレビ電話としてスカイプの設定をしていただけで、これまで本格的なWeb会議ツールの導入はありませんでした。しかし、新型コロナ感染症の拡大が大きな話題となった今年3月には、参加していた異業種交流会がオンラインで開催されるようになり、当時、先駆して広まっていたZOOMを先ず導入することになりました。次に、裁判所での民事訴訟手続のIT化の運用がちょうど始まっていたことから、緊急事態宣言の解除後の期日指定に際してWeb会議による争点整理が行われることになり、今年の5月にはMS-Teamsをインストールして導入することになりました。そして、毎年、年4回だけですが大阪工業大学工学部電子情報システム工学科で担当しているリレー講義がオンラインとなったことから、GoogleのIDを受領し、大学生に向けて講義をするため、Meetを導入することとなりました。これらのうち最も良く利用しているのが、ZOOMであり、大阪弁護士会や日本弁理士の各委員会、日本商標協会関西支部の例会、依頼者との法律相談や商標出願相談、リモート飲み会などに利用しています。また、裁判所が採用したのがMS-Teamsであったため、弁護士が構成員となっている研究会においては、MS-Teamsにより会議も行われています。
3 各Web会議ツールの概要とメリット・デメリット
弊所で導入した各Web会議ツールの概要とメリット・デメリットは、下記の一覧表のと おりです。ソフトの操作性や音質などの違いもありますが、参加者の回線状況、照明、カメラやスピーカーの性能による部分もあり、これらを含めた環境整備や導入が必要です。 なお、各Web会議ツールは、先を競って機能の強化やバージョンアップを行っていますので、あくまで私が執筆している令和2年7月末ごろに利用者としての視点で一覧表をまとめたものですので、参考にされる際には、留意をお願いします。
4 今後の弊所の取り組みについて
弊所では、前述した4つのウェブ会議ツールを導入済ですが、Skypeについては、最近の利用実績はないのが実情です。これらのウェブ会議ツールについては、一人で参加する場合は各スタッフのデスクから、弊所の複数メンバーが参加する場合には、プロジェクターのある大会議室から接続して、接続先のニーズに対応できるような体制を整えています。また、最も良く利用しているZOOMについては、弊所として有料契約を締結しており、今後も、主催者として利用時間の制限無く、多数の参加による会議をしていただくことが可能です。また、Webセミナーにも活用していこうと考えています。
他方、弊所では、弁護士業務・弁理士業務を問わず、ZOOMを用いた法律相談や商標出願相談などを実施しており、様々なアクセスによる業務処理に対応しています。 本稿をご覧になった皆様におかれましても、従来からの面談による相談・依頼はもとより、オンラインによる相談・依頼も歓迎いたしますので、遠慮なくご要望ください。